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これからは、「複業」&「複住」 -日本とシンガポールのデュアルライフ-

2018.9.5


前々回、私が小学館を辞めてOLタレントになった理由で、パラレルキャリアを始めた経緯について書き、
前回、これからは、「副業」ではなく「複業」で、私の副業(複業)に対する考えを書きました。

これで、おおよそ私の自己紹介は終えたかなと思うのですが、もう1つ大きな紹介をし忘れています。

というのも、私は今、シンガポールに住んでいます。

そう、私は今、月の約3週間はシンガポールでPR(ブランディング、マーケティング)の仕事をし、月の約1週間は日本でタレント(テレビ収録やロケ撮影)の仕事をしています。

「職業は1人1つって、誰が決めたんだろう?」という疑問が、
「住む場所は1人1つって、誰が決めたんだろう?」に発展し、
仕事だけでなく、住む国までも複数に渡るようになりました(笑)。

つまり、「複業」をしながら、「複住」をしているというわけです。

この話をすると、「海外に住んでるの⁉︎ すごい決心だね!」などと言われたりするのですが、実は私自身は「複住」をそれほど大きな出来事と捉えていなかったりします。

その理由を交えながら、今日は「場所への依存性」に関する話を書いていきますね。

 

会社でしかできない仕事は少ない

少し話は変わりますが、私が複業を始めてから強く感じていること。

それは、「会社(オフィス)でしかできない仕事は、実は少ない」ということです。

私のようなPRや編集の仕事は、正直、PCさえあればどこでも進めることができます。
なんならオフィスに籠っていない方が、世の中の動きを肌で感じられて、新たな視点や発想が生まれ、仕事に良い影響が出ることも多いです。

もちろん、これは職種によって差があるとは思います。

お医者さんや学校の先生、サービス業などの職に就いている人は、たしかに難しいかもしれません。
ただ、そういった職の人も、実は仕事を細かく見てみると、その場所でなくてもできることが結構あると思うんです。

たとえば、私もタレントの収録やロケは、決められた場所にいかなければもちろん仕事になりません。
でも、台本を覚えたり、ロケのリサーチをしたり、日々のSNSを更新したり、体づくりや美容のケアをすることなどはどこでもできます。

そう考えると、仕事って、それほど場所に依存しないと思うんです。

だからですかね。
「仕事はどこでもできる」という考えが強くなっていったからこそ、住む場所がシンガポールになることもそれほど大きな出来事だとは感じませんでした。

突然いただいたお話だったので、驚きはありましたけどね。
でも、いざ住むことが決まったら、「活動拠点が1つ増えるだけ」という案外あっさりとした気持ちだったのを覚えています。

 

「今ここでしかできないこと」を探そう

「仕事はどこでもできる」という考えが定着すると、今度は逆に、

「今、ここでしかできない仕事ってなんだろう?」

という発想が生まれやすくなります。

そして、この発想は、結果的に仕事に大きな効率と生産性をもたらせてくれます。
また同時に、無駄なものも浮き彫りになってくるんですよね。

上司を安心させるためだけの日報。
ディスカッションのない報告だけの定例会議
目的もなく毎日同じ時間に同じ場所に行く通勤・・・などなど。

「これって、本当に今ここで必要ですか?」って思ってしまいます。

会議や通勤に関しては、face to faceのコミュニケーションのためという意見もあるでしょう。
でも、それも今や、ほとんどの場合がスカイプやテレビ電話でもまかなえると思いますし、そもそもface to faceの価値をお互いがしっかり意識していないと意味がありません。

会社って、「なんとなく」の決まりに、「なんとなく」従っていることが多いなぁと感じます。
この「なんとなく」に慣れてしまうと、「なんとなく」仕事をこなせている気になってしまうのでとても危険です。

「今ここでしかできない仕事」を探し続けることが、本質的な仕事を生み、その結果、「あなたにしかできない仕事」(自分の役割り・存在意義)を見つけることにも繋がると思うのです。

そして、これは仕事だけでなく人生にも言えることだと感じています。
「今ここでしかできないこと」をなるべく多く発見し、積み重ねていくことで人生は豊かになっていくと思うのです。

小さなことで言えば、そこでしか食べられないご当地の食べ物とか、そこでしか見られない景色とか、そこでしか体験できないイベントとか・・・ね。

母親譲りのミーハーな性格も大きく影響してはいますが(笑)、私は常に「今しかできないこと探し」「ここでしかできないこと探し」をしています。
その結果、今このような生き方になっているのでしょうね。

 

場や空間が持つ本当の価値とは

仕事はどこだってできる、だから、毎日会社に行かなくたっていいし、1つの場所に住んでいなくたっていい。

極端に言えば、そんな流れで私は今「複業」かつ「複住」という選択をしています(笑)。

仕事も人生も、場所への依存性はどんどん低くなっていると感じます。
そして、この流れはVR/AR/MRなどのテクノロジーの進化によって、より加速していくでしょう。

本当の意味で、場や空間というものの価値や役割りを考えさせられる時代になってきましたね。

「この瞬間に、この場所でしかできないこと」なんてほとんどない。
でも、「この瞬間に、この場所でしかできないこと」は何かしら存在する。

そんな意識を大切にしながら、生きていきたいなぁと思うわけです。

坪井安奈

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